深田久弥曰く、
「この山は一般的な登山道はなく、テント泊&沢登りでトライする熟達者向けの山であり、ヒグマに襲われ、あるいは雪崩にあって多くの学生達が命を落としたことは有名だが、私が北海道にいた時にも沢で滑落による死亡事故が起こっている。
容易には人々を寄せつけない荘厳さ、盟主たる風格。 私にとって、北海道で最も思い出深い名山の一つ」
であるそうである。
容易には人々を寄せつけない荘厳さ、盟主たる風格。 私にとって、北海道で最も思い出深い名山の一つ」
であるそうである。
この山は登山道がないため、所謂、山のガイドブックに載っていない。
沢デビューを果たした2014年の集大成として、いや日高に憧れてからこれまでの集大成として、全力で準備にあたり、一方で今度の山こそ何があってもおかしくないぞ、山岳保険のお世話になることの無いように・・・と思いながら家を出た。
ロケーション最高。
まったりした。
ファイントラックピコシェルターは意外とぴっちり閉まりました。
1日目 2014年9月27日(土)晴
4:30自宅発 - 8:50札内ヒュッテP - 10:40七の沢出合 - 12:30八の沢出合 - Co900三股C1
2日目 2014年9月28日(日)雨
5:50C1 - 8:00八の沢カール - 10:00C1 - 10:45C1発 - 14:05入渓点 - 15:50札内ヒュッテP
結果としては予想外の局地気象(とは言え前日にアメダスで雨雲の動きを追っていると、日高のあたりに僅かに雨雲がかかっていたことは確か。しかしこんなに顕著に降るとは思わなかった)。
初日の晴天から一転、アタック日は朝から小雨。しかし予報は晴れのはずだから、この雨だっていつまで降るのかは分からない。悩ましい所。
リーダーは一度は撤退を宣言したものの、1時間待ってガス雨となったので、「カールまで行こう、直ぐ出るよ」と言った。時間的にかなり強引に設定した、当初の計画のアタック開始予定時間から、更に一時間程遅れての出発だった。
リーダーは一度は撤退を宣言したものの、1時間待ってガス雨となったので、「カールまで行こう、直ぐ出るよ」と言った。時間的にかなり強引に設定した、当初の計画のアタック開始予定時間から、更に一時間程遅れての出発だった。
ろくに食事もせず、荷物は適当にテントに突っ込み三股を出発。途中先頭のYさんができたてホヤホヤの羆の糞を踏んだ(900m三股と1,000m三股の中間あたり)。思わずザックから熊鈴を出す。
一行は足早に八の沢カールを目指し、滝の高巻きを攀じ登った。
一行は足早に八の沢カールを目指し、滝の高巻きを攀じ登った。
途中かなりペースが落ちたが、約2時間で慰霊碑に着いた。カールの真ん中の慰霊碑付近には遮るものがなく吹き降ろす風がモロにあたり身体がどんどん冷えるのは時間の問題だった。素早く行動食を口に詰め、直ぐに下降を開始した。
幕営地までも約2時間で戻り、残っていたうどんとホットドックを暖め直しようやく一息つく。
今回は食担として、「豚バラ肉と長ネギ入り煮込みうどんカレー」では少ないと思い、「ホットドック(具は玉子サラダ、玉葱とウィンナーをマーガリンで炒めて固めてきたペミカン、ケチャップ)」も準備したが、これが味もまぁまぁで、リーダーも喜んでくれて、自分的には大満足だった。多すぎる個人食と非常食(マヨネーズ1本、フルグラ1週間分、クラッカーなど)に比べて、このような慌しい行動下で必要とされる行動食のバリエーションが乏しかった気がするので(チーズやウィンナーではなく、パワーバーやスニッカーズなどパンチのあるもの)、今後のために反省したい。
食事を済ませ素早くテントを撤収し、名残惜しく整地した砂地を後にした。帰りも雨が止むことは無かったが、札内川増水の心配は無さそうだった(竜譚上流の水位はずっと安定しており、ザイルどころか札内川本流の渡渉も枯れ枝でバランスを取れば、ドボンする心配は無い。この日はSさんが1本ストックを貸してくれて、とても有難かった。巻き道も豊富)。ほぼノンストップで札内ヒュッテに到着した。
今回は食担として、「豚バラ肉と長ネギ入り煮込みうどんカレー」では少ないと思い、「ホットドック(具は玉子サラダ、玉葱とウィンナーをマーガリンで炒めて固めてきたペミカン、ケチャップ)」も準備したが、これが味もまぁまぁで、リーダーも喜んでくれて、自分的には大満足だった。多すぎる個人食と非常食(マヨネーズ1本、フルグラ1週間分、クラッカーなど)に比べて、このような慌しい行動下で必要とされる行動食のバリエーションが乏しかった気がするので(チーズやウィンナーではなく、パワーバーやスニッカーズなどパンチのあるもの)、今後のために反省したい。
食事を済ませ素早くテントを撤収し、名残惜しく整地した砂地を後にした。帰りも雨が止むことは無かったが、札内川増水の心配は無さそうだった(竜譚上流の水位はずっと安定しており、ザイルどころか札内川本流の渡渉も枯れ枝でバランスを取れば、ドボンする心配は無い。この日はSさんが1本ストックを貸してくれて、とても有難かった。巻き道も豊富)。ほぼノンストップで札内ヒュッテに到着した。
カムエクは素晴らしかった。
広く明るい癒しの渓に色とりどりの紅葉が舞い、穏やかな水面を飾っていて、七の沢の渡渉時、一瞬で魅せられた。
八の沢出合からは、左手に見えるピラミッド峰からカムエク山頂までの稜線、八の沢カールがくっきり見えて感激した。国境稜線からの眺めを見に、きっとまた行きます。コイカク〜カムエクもやりたいな。今までで一番の山でした。