この日のテーマは、
「ウンコは地球の宝物〜糞土師の糞土教師」。
講師は糞土師の伊沢正名さん。
私は伊沢正名さんのことを知らなかったし、この講座の案内を受けて事前にインターネットで調べたところによると、「約40年間野糞を続けている」怪しい人、というイメージしかなかった。
講座は午前午後に分けられており、午前中は座学だった。
このように、スライドを観ながらの楽しいお話。
伊沢さんは元々、菌類のカメラマンだったそうで、
スライドはどれも美しいキノコや実験内容が分かりやすい写真ばかり。
スライドはどれも美しいキノコや実験内容が分かりやすい写真ばかり。
伊沢さんの『カビ図鑑』を持ってきている人もいて、色とりどりの、万華鏡のような美しいカビがいっぱい。
手の常在菌を身近な食べ物で培養した記録写真とか、テーマも面白い。
手の常在菌を身近な食べ物で培養した記録写真とか、テーマも面白い。
こんな誰も見ないような世界を何十年も見続けてきた人の話は、
やはりとっても面白かった。
やはりとっても面白かった。
メインとなるのは、野糞がどういう過程を経て土に還るかという話。
(実験に使われている野糞っていうのは、ご想像の通り、伊沢さんの野糞なんですけど)
ウンコの臭いの成分「スカトール」は、香料にも使われているだとか、
ウンコは高いコストを払って焼却処分されるけれども、土に還せば他の生き物の食物になるという話だとか、
昔ウンコは肥料として使われていて、現在も肥料として使っても法的には問題は無いけれど、
品質表示の問題があるから(いつどこで誰が生産したウンコかを表示するのが難しい)、
流通しないんだという話だとかを聞いた。
午後は、フィールドワーク。
実際に、一週間前に仕込まれたエコビレッジの裏山の野糞を掘り返しての観察。
実際に、一週間前に仕込まれたエコビレッジの裏山の野糞を掘り返しての観察。
講師の伊沢さんと、覚えたばかりの知識をもって、ウンコに釘付けになる人々。
上の写真は、笹の葉でお尻を傷めずに拭くコツを解説しているところ。
ひょうたんの葉、山ぶどうの葉、よもぎなんかが気持ち良く、エコビレッジの畑にあったマシュマーロゥの葉っぱは「糞土師評価」で4.5の高得点!
私も実際にお尻で試してみたくなりました。
これは、白腐れした樹の中で縄張り争いをしている菌を観察しているところです。
野山でいかにして死物化(動物の糞だけではなく、枯葉や倒木など)した有機物が分解されていくのかを見ています。
伊沢さんのお話を聞いているうちに、私は知らず知らずのうちに、
生き物として当たり前の生態系の循環の輪から大きくかけ離れたところで、
そうした生き物としての本質的なことから目を背け、忌み嫌い、
無駄な知識ばかり増やして喜んでいることに気づきました。
先日、鶴居村の自然ガイドの友達と環境省の「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書を読む会」、に参加してきたのですが、こうした生き物としての人間の在り方という視点無くして環境の知識のみが膨らんでいくESD教育の在り方には疑問を覚えましたし、こうした視点無くして環境問題は語れないなと思いました。
良識ある人たちからは、ウンコの話など興味ない、異端なものとされている現状。
しかし、「良識派」ほどウンコの循環過程等知らない、頭のかたい人たちなんじゃないかと心の中で思いつつ、
圧倒的少数派として、これからも密かに学びを深めていきたいと思います。
伊沢さんも仰っていました、
「批判は在り難い。批判なくして成長なし。」と。
伊沢さんは研究・追及心に溢れる、人生の先生のようでもありました。
そのような人との出会いに感謝しつつ・・・、
夜勤明けだからと入れてくれた炭酸水、
始祖ジュースと手作りケーキ、
お昼の具だくさんスープ、
食用ほおずきの実、
黒豆・玄米たっぷりの手作りのお茶、最高においしかったです。
エコビレッジ体験塾代表・伊藤さんありがとうございました。
※1)エコビレッジとは、自然と寄り添い生き方とエコビレッジライフを体験するところです。