今シーズン2回目の沢。パラダイス・ヒュッテでLさんの計画を聞いて,ぜひ連れて言ってくださいとお願いして実現した。
◆岩内町まで
自宅を4:30分過ぎに出発。小樽方面から岩内へ。
思えば初めて通る道なのだが,とても走りやすい道だった。
待ち合わせの15分位前に着いたらもうLは居た。
地形図を見ていたので,右股と左股どちらを登るのですか?と聞いたら,「実際に見て判断する」とのこと。素人はあらかじめ安全だと分かっているルートしか選べないが,Lは現場で判断する。
入渓地点も行ってみて判断するしかないが,Lは私が到着する頃にはその作業を既に終えていた。入渓地点へと迷いのない足取りでぐんぐん進む。
◆遡行する
この日遡行するのは,野束川(のづかがわ)支流の権太川(ごんたがわ)。地形図で見たところあまり大きな沢では無い。
沢本やヤマレコ,他の山岳団体の記録にも出てこないマイナー沢を登るという事は,自分で地形図を見てイメージするしか無い。
ただ,今回そのイメージの膨らませ方が足りなかった(初めての経験だから仕方が無いか・・・)。
・誰も登っていないという事は,決して歩きやすい道ではない(狭薄沢のようにヤブヤブの可能性)。
・下山時間も遡行時間も誰にも分からない。
入渓後間もなくのCo320地点。
Co450手前の二股までは,藪が被さっているゴーロが長く続く。
しかし,水量は結構あるので慎重にならざるを得ない。
見通しが効かないので余計に長く感じるし,ぜんぜん標高が上がらない。
藪の中から急に立派なF1が出てきた。
その後F2,F3が連続する。
いよいろゴーロも終わりか?と期待するも,この後もダラダラ続く。
休憩中には蚊の猛攻に合うが,虫除けは車に置いてきた。
反省しながらLのハッカスプレーを借りる。
カバノアナタケ,アズキナ,クレソン,ヤチブキ,ウド等を見つけた。
花も良く分からないけれど,たくさん咲いていた。
ようやくナメが出てきたと思ったらめちゃくちゃ長い。
棚に足を乗せるがズルズル滑る系の,あまり好きではない感じ。
どう見ても高巻きより滝の中を登った方が早い感じ。水は雪解け水かと思う位冷たい。
L撮影。周りは藪,川の中は雪解けと雨降りの時期らしい,勢いのある感じ。
今回,ゴーロ帯以外は巻かなかった(滝は中を登った)。
高巻きしようにも藪の中だから。
獣道すらない。
しばしゴーロの苦労を忘れさせてくれる滝。
藪メガネが欲しい。
これがこの沢1番のbigfall。高さ10m位,長さは20m位かなとL。
ピトンを打っている所。
Lが中腹にピトンを打って上に抜ける。SLが回収。その間30分位か,ただじっと見守る。
私は最後にトップロープで登る。
シャワークライムもこれだけ低気圧が吹き出している中だと辛さしかない。
登っている途中,水が肌と服の間を通過して,身体が余計冷やされる。
源頭から藪漕ぎかと思ったら,しばらくは竹の間をぬって快適に標高を稼いだ。
最後の100m位の登りは,笹,竹,ハイマツ,灌木の藪祭り。長い,長いよ・・・。
山頂無事到着。
藪漕ぎ中はなかなか着かなくて,一瞬ビバークかと思った(狭薄がトラウマになっていると思われる)。
砂防ダムからCo600辺りの二股まで、獣道で高巻けたら最高なのになぁ。
到着したと思ったら風速最大20m位はありそうな強風。体温が瞬時に奪われる。
ここから夏道を下山する。
分かってはいたけどガスガス。
おっ,リフトです。
体力的にはゴーロと冷えが一番辛く,藪漕ぎと下山はまだまだ大丈夫な感じだった。
慣れと暖かさへの備えが必要と再確認をした。
2つの登山口の合流地点(2号目あたり)。
降りたら車,嬉しい。
帰りはグリーンパークいわないに浸かる。しょっぱくて44℃と熱くて好き。
隣に座った人が本州からの登山者だった。明日はどこ登るのか聞いたら「めくんない?」と自信無さそうに言っていた。
帰ってきてウドとヤチブキの肉炒め。おいしい。
翌朝起きたら久しぶりに全身が痛い。