2014年7月19日土曜日

北日高1,726峰パンケヌーシ川八の沢~北西面直登沢

行  動  概  記

2014年7月18日、石狩岳を下山し帯広方面に向け出発。途中、タウシュベツ橋梁を偶然見つけ数分寄り道。
糠平温泉郷を経て上士幌市街で携帯の電波復活を確認し、ようやく山岳会に下山の連絡を入れる。コンビニで夕食を調達し、町営温泉で汗を流しガソリンを補給、はやる気持ちを抑えながら日高の道の駅に出発。
夕刻道の駅到着。どこでも眠れる私は迷わず駐車場で車中泊。

翌7月19日はエバさんと北日高の1,726峰を踏んだ。ルートはペンケヌーシ川ハの沢~北西面直登沢だ。
私にとって初めての日高、しかも当分行けないと思っていた沢を遡行してのピークとあって、こりゃ絶対事故があってはならないと石狩岳にも気合いが入った。

1,726峰という山は芽室とルベシベの中間点に位置する稜線上の1ピークで、『北海道の山と谷』にはその情報は載っていなかった。
6:00分に日高の道の駅でエバさんと合流。ペンケヌーシ林道を18kmほど進み八の沢出合いに車を置く。

しばらく緩い沢歩き、やがて小滝群、核心部の滝ではエバさんが記念撮影をしてくれた。源頭部から稜線までは北西面の薄い藪の中を行く。エバさんに言わせるとここは一級国道とのこと。狭薄山に比べ藪はだいぶ薄いが、フェルトの沢靴にこの傾斜は責苦だ。ウツギとササが豊富でつかまるものに苦労しないのが唯一の救い。下りもかなり難儀した。
稜線に出たらほどなく山頂。ガスって何も見えないが初日高無事登頂に言うこと無し。風もなく、音もなく、静かで穏やかなひとときを過ごす。

エバさんがコーラを一口くれる。おいしい。私の中でコーラの価値が急速に高まる。こうして人それぞれにものごとの価値はあるのかと思い至る。私にとって日高も登る価値の高い山だ。名残り惜しくエバさんにコーラを返す。コーラは私の手から早く離れたがり、地面に落としてしまう。シュワーッと泡が立つ。あぁ、コーラが急速にまずくなってゆく・・・。エバさんごめんなさい。

帰りは沢の登路とは違う道を下る。その地形図にない道はエバさんの師匠がかつて踏み固めた道とのこと。うまく八の沢に戻り、滝では一ヶ所ザイルを出してくれて、確保されゴボウで降りる。滝の登下降では3点支持が基本だが、ガレ場歩きでは手を使わず歩いた方が早いよとエバさん。よく見るとエバさんはほとんど手をつかず歩いている。歩くのが遅いのも山では重大なリスク・ファクターだな、これからはもう少し早く歩く努力をしてみようと常々思っていることを改めて意識した。
帰りは点々と付けてきた目印も、覚えたはずの渓相も、ガラッと印象が変わる。行きで地道に付けてきた記憶の中のトレースがすっかりうやむや。ただし今回は正確な地図読みができても先駆者の辿った道を知っていなければなし得ないルート選択だった。なかなか面白い体験をさせてもらった。

帰りに一匹の魚影を見て、心が緩む。

初めての日高はとても優しい姿を見せてくれた。今後はこのペンケヌーシ川ハの沢北西面直登沢を基準に、私の日高路が始まる予定でいる。
しかし相変わらず、日高は未だ遥かなる山なり。







エバさんありがとうございました。






















0 件のコメント:

コメントを投稿