2015年11月20日金曜日

これから登る山

NACでリード練習&マルチピッチシステムのお勉強。気が付いたら,11:00〜20:00まで居た。

帰りに近くの沖縄料理屋でチバサチさんと語らう。いい仲間ができて嬉しい。

教えて下さったのは,元札幌山の会会長,日本体育協会公認山岳指導員(スポーツクライミング),真下誠二さん。

真下さんのお話は,何物にもかえがたい。ありがとうございます。
いつも読ませていただいている,真下さんのブログに登場してしまった。

□岩1年目の成果?
2月〜クライミングの経験の無い者がいきなりアイスクライミングデビュー
雄冬海岸の氷瀑群
のキャンディとババロアでした。
6:00時に厚田着早い時間に取り付いていたと思うが,岩肌の方が溶け始めていた。
でも,素人だから怖いもの知らずでした♪

記録を読むと,15m程のキャンディをTPで登っていた。この時はまだ,アイスクライミングも,ジムで登るスポーツクライミングと同じでクライミング行為を楽しむスポーツという捉え方さえ分かっていない。山ヤとはかけ離れた世界だなぁと思っていた。
もちろん,自分でリードしてトップアウトして終了点を作ったり,三つ道具(アイスの場合はスクリュー・カラビナ・ハンマー,かな?)の使い方をマスターしたり・・・という発想が全く無く,「いかに登るかが全て」だった。

プラブーツやクランポン,バイルは貸りもの(ヘルメットは夏に沢で使った工事現場用w),登攀中にリーシュを使ったレストの仕方や,フィフィやデイジーチェーンをアックスに繋げるセルフの取り方,アイススクリューの回収の仕方等を習った気がする。
今となっては使っていたロープの種類や,確保器の研究,ロープ長さが足りなく継ぎ足していたのでその技術の研究,氷と草付きと岩のミックスの技術等,「クライミングする」以外に知りたい大事なことが山ほどあった。
肝心のクライミングでは,「バイルを左右に振るな」と何度も怒られた。

3月〜何の為に登るのか?を示してくれた定山渓天狗岳
定山渓天狗岳
定山渓天狗岳の天狗平〜中央ルンゼ〜山頂は,『北海道の山と谷』では冬季登攀の分類になっている。評価は「!*」。易しめのルートと言うことだが,人生初の冬季登攀。
天狗沢から師匠は山スキーで行く。私はこの日の為にプラブーツを購入し,山スキーで取り付きまで行こうと思っていたのに,プラブーと山スキーのビンディングが合わなかった。仕方がないので師匠のスノーシューで行く。
しかし,デブリポイント通過時やデルタフェース基部のクラック,わらじルンゼの雪崩跡を見ると,素早い行動ができなければ命取りになる,とつくづく思った。

師匠は基本,アルパインの人。
クライミングのテクニック以上に雪山での生活やリスク評価に長けている。
常にアルパイン臭がする,人を叱れる,人を確保/救助できる,地に足が着いている,絶対堕ちない(絶対死なない)。

ここでは本格的なアイゼン・ピッケルワーク,滑落停止訓練を教わる。山頂直下は登りも下りもアンザイレンしてくれた。微妙な所のトラバースは肩がらみで確保もしてくれたような。
下りは走るように。レインボークリフのEさんに雪山での生活術や,ピッケルシャフトで制動するグリセードを教わったと師匠。

5月〜小樽赤岩デビュー
この頃もまだ「登り」がメインでした。

赤岩2回目。この辺りから段々,ロープワークを覚えたら大好きな岩にもっと行けるかも♪と思い始める。

師匠がビナ2枚で保険をかけているところ。

扉岩,クランケ左,西壁正面
扉岩はウォーミングアップ。被り気味の核心で30分位停滞したが,ザックを途中で捨てたらなんとかなった。
途中でヌンチャクを掴んだ気がするけど,外岩2回目のなんちゃってクライマーに恥の意識はない(でも師匠はちゃんと私を白い目で見ていた)。
ここはトップアウトをして下降路を下る。危ない所はアンザイレン。
クランケ左は懸垂下降の練習。
西壁正面はマルチピッチ。セカンドも際どいテラスでロープの振り分け等なかなか忙しい。

6月〜クラッククライミング,NP,テーピングを知る
石垣山ナルコレプシー,ルート130
残置ボルトやハーケンを使わず登れるようになる,ということの意味がよく分かっていなかった。まだあまり居ないみたい。

□沢と山登りは2年目だから,リーダーデビュー

1月〜雪山で自分がリーダーを務める初山行
様茶平の教訓
昨夏に沢で遭難していると言うのに,この時のリーダーっぷりも振り返ると拙かった。
登山道も踏み跡も無い雪山を,悪天候の中,北東尾根を選んで進んで山頂までたどり着けず,後日南西から山頂にたどり着いた方の記録を悔しい思いで読んだよなぁ。

でも,私が登りたいのは「私の山」だ。

例えば,自分で計画を立て,雪崩や道迷いや気象遭難等のリスク評価をして,必要な道具や情報だけでなく最悪な状況を想定して備え,必要な技術は訓練して身につけ,地形図と概念図にウエイポイントを決めて事前にベアリングし,ちゃんとした登山届けを出して,コンパスを切って山頂に至り,生きて帰ってくる登山がしたい。

沢も同じ。1人でも行けるようになりたい。「!!!」の沢に行けるようになりたい。
きっと,ボルトなんてないだろうしカムやナッツ等,なるべく人工手段を使わないで登れたらと思っている。

↓初の沢リーダーは,ルーファイに失敗して翌日直ぐに撤退した。
アバレ川-美瑛岳-オプタテシケ敗退

◼︎リードクライミング

アイスは基本,腰を反らせるがボルダリングは基本,腰を落とす。

・外岩でリードをして登るには,マルチでもシングルでも,使う使わないに関わらず,色々覚えなければならない事があることを理解してきた。自己脱出・懸垂下降・確保・仮固定などのロープワーク,ルートを見てスポーツルートかそうでないかの判断,持って行くものの判断,支点作りなど。

リードデビューで大先輩に指導して頂けたのは有難かった。

結局の所,岩1年目の成果として,
「誰かとガチで登りたいなら,命を預けられるパートナーとして相応しい鍛え方をしよう」ということと,
「人工手段を使わないクライミングがある程度できて,バリエーションルートで山頂へ抜ける,私の山」に登るには,高い低いに関わらず,相当な修練が要ると言うことが分かった☆


バイブルはこの1冊のみ。頼みますよ〜。

◼︎今必要な研究
1)ビレイ
①落下係数0〜1のそれぞれの落下とビレイ体験
②支点ビレイ
③折り返しビレイ
④セカンドのビレイ
2)カム支点を作ってショートピッチを登ってみる
3)ダブルのシステム
①リード手順,セカンド手順
②バリエーション
4)懸垂下降
①手順
・懸垂支点にロープセット(セルフ,ロープ連結) ・ロープ投げる ・下降器セット ・懸垂下降 ・回収
②バリエーション(カラビナ,エイト環,肩絡み,バックアップ)
③仮固定
④懸垂支点の研究
⑤懸垂中の事故事例
5)自己脱出
6)ガチャ(ギア)の原理
【確保器】
・確保器の種類には,エイト環,バケツ型(ATC等),フォロー確保機能付き(ルベルソ・ATCガイド等),ロック機能付き(グリグリ等)がある。
・ビレイヤーは,カラビナに確保器をセットしてロープを通し,利き手側でロープを握って摩擦抵抗を生み,ロープの流れをコントロールしている。
・V字スレッドが付いている確保器は,よりロープの摩擦抵抗を生みやすいので,V字スレッドがある方を握り手側にし,カラビナのゲートの向きは握り手とは反対側に来るようにする(ゲートがオープンになったり,ゲートに荷重がかかるのを防ぐ為)。
・ATCガイドは,V字スレッドがある方と無い方のどちらも使えるが,ルベルソ4はV字スレッド側しか使えない。
7)アンザイレン
・クライマーは,まず,エイト・ノットを作り,タイインループにロープを通す。末端処理は登るのにじゃまにならないようにする程度で,強度はない。
8)クリップ
・何度か逆クリップしてしまう。見たら逆クリップだと判るのに,確認を怠る。
・クリップ時の危険行為をしてしまう(次のクリップの直前で,口に加えてホールドを持ちかえる)。次のクリップ直前ということは,前のピンから最大限に離れているということ。落下係数は最大の2。危なかった。もし休みたい時は,ピンの下まで行ってテイクを取ろう(進退窮まって動けない事も多いけど)。
・トップロープ時には思い切って登れたルートも,リードで登ると怖くて登れない。一度落ちる練習をすると楽しくなるよ,と言うので練習してみたい。
etc


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