5/27より、体調を崩し職場の皆さんのご厚意に甘えしばらく安静にしていました。
(お陰さまで悪化することなく、少し貧血気味ではありますが、順調に回復することができ、職場の皆さんには本当に感謝。ありがとうございました。)
北海道雪崩安全セミナーに参加させて頂きました。
プログラム → NPO法人北海道雪崩研究会web page
第1部は、3人の方のそれぞれ別のテーマでのお話、パネルディスカッション。
1人目の方のお話は、北海道雪崩研究会が行う、北海道雪崩講習会の、「雪崩講習の課題と今後の方向」。
↓ このようなシステムだそうです。応募率高そうでした。
基本クラス(雪崩の基礎、基本的安全行動)
↓ (修了認定)
中級クラス(基本クラス修了者)
↓ (終了認定)
上級実践クラス(中級クラス修了者)、講師養成クラス(2年制)
2人目は北海道医療大学 榊原先生のお話、
「雪崩リスクマネジメントの過誤と安全性」。
※ここで言われる「リスク」とは、危険な状況になる可能性の事です。
リスクは、ある条件下においては予測可能である事、
(リスクの高さ=雪崩のハザード×脆弱性、ばく露量)
ハザード評価において不確定要素が多ければ、リスクマネジメントにおける過誤は大きくなる。
「我々はこの斜面について何が分かっていないのか?」
ハザード評価を行う上で必要なデータチェックリストを作成することは、
有効なようです。そして、予測する能力を向上させる。
「君子、危うきに近寄らず」ではなくて、
「君子、”分からない斜面”には近寄らず」。
3人目の方は、ネイチャーガイド主宰 中川伸也氏
(お若い方です。私と同じ学年。)
「雪崩リスクマネジメントの実践的行動」
~ツアーに行く数日前の行動~
・ルートは論理的か?
・グループの力量との符合(最も弱いメンバーはどうか)
・計画ルートの歴史(雪崩歴、生い立ち等)
・斜度、斜面の方位、風の影響、地形、標高
・積雪の安定性がルートの安全に与える影響
・代替ルート、エスケープルート
・数日前の天候、今後の予報
・気温、降水量、風、日射量etc
・周辺地域の雪崩情報
~山に向かいながら注意する事~
山に向かう道路の斜面に雪崩の形跡は無いか確認、
それはどっち向きの斜面か、降雪や雨、気温の上昇の度合い等
~現場で~
・真新しいデブリ
・突然、ヒビ(シューティングクラック)
・ワッフ音
(※さらに危険度を高めるものとして)
・大量の降雪
・雨
・地吹雪
・気温上昇 など
~ルート、斜面の選択~
・一般的に35°以上の斜面で発生しやすい
・風下よりは風上斜面が通常は安全
・雪庇は風下斜面の上部に形成される事が多い
・ある斜面で最近雪崩が発生していたら、同じ方角を向く他の斜面も不安定と考えられる
・一番ムリが無い地形を行動する
・地形の罠に注意する
~不安定そうな斜面を横切る~
・可能であれば、より安全なルートを見つける
・衣類を整える
・バックパックはウエストベルトを外しておく
・安全地帯から安全地帯まで、1回で素早く移動する
・安全地帯から、危険地帯移動中の仲間をしっかり監視する
等々でした。
第2部は、独立行政法人土木研究所寒地土木研究所 雪氷チーム、原田氏の、
「北海道における冬季の気象変化と湿雪雪崩の特徴」。
→こちらのpageに関連のデータが詳しく載っていました
25年3月、北海道で9人の死者が出た暴風雪時の低気圧の移動経路は、
二つ玉低気圧の一方が他方の低気圧に吸収されさらに発達した低気圧となる西から東方向へ移動するもので、
このパターンは2002-2010の間に11例も見られたそうです。
また、この25年間に他の3パターンに比べ最も多かったのもこの移動パターンでした。
次に多かったのが、あの、山梨に大雪を降らせた南岸低気圧だと言うことまで分かっているそうで、三陸沖を北東進した低気圧は、今年2月のものは、北海道からそれて行きました。
個人的には、どのパターンにおいても日高は低気圧の影響が少ないデータが示されていたのが印象的でした。
感想
とにかく難しかったです。
会場にいらっしゃるどの方も、私が今課題として感じていることを乗り越えて行かれたんだ、と思うと、Somewhere Over The Rainbowを歌いながらオズの国まで飛んで行きたい気分です(?)
やはり、しっかり雪崩と向き合って、仮説と検証を繰り返すこと以外に、能力の向上はないのでしょう。私の場合、パラレルターンの練習と合わせて、がんばります。
ありがとうございました。
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